Team Mono-Blueのブログ

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三沢さんへの想い「エメラルドフロージョンの持つ独特な間合い」

三沢さんの突然の死からまだ悲しみが癒えない。秋山選手のブログを見ても三沢さんの人柄がうかがい知れる。そこにはいくらヒョードルと言えども付けいる好きがない高い領域である。


前回、垂直落下はもうやめようと、それを我々が望むのは金輪際止めようと書いた。冷静に思い返してみれば自分が熱狂したカウント2.9の四天王プロレスも、最初は危険な技のオンパレードではなかったはずだ。通常のタイガードライバーパワーボムのど輪落とし月面宙返りで試合が完結する時代があった。その時、決して物足りないとか興奮しなかったわけではない。

しかし興奮は麻薬のようで一度一線を越えた技を見てしまうとそれに慣れてしまい次はもっと、と身勝手な要求を我々は選手に求めていた。最終的にはバーニングハンマータイガードライバー91、垂直落下のパワーボム、デンジャラスバックドロップの快楽にいつしか溺れていた。それを求めて、とんでもなく危険なことを選手にさせては喜んでいたのだ。

正直にそれは間違っていたとここで言おうと思う。誤りだったと懺悔しよう。


エメラルドフロージョン。三沢さんの晩年の大技だ。正直、言うほどダメージは大きくない技だと思う。(特殊な落とし方をしなければ)しかし相手を抱えてから落とすまでに、今の時代には珍しく独特の間合いがある。パワースラムの要領で相手を逆さに抱えて、手を持ち替えて落とす。その持ち変える間に2秒ほどの時間。実況するアナウンサーは「エメラルドーーーーーーー(この2秒間)フロージョン」という具合だ。

決して危険な技でいが、私はこのタメというか間合いを持つエメフロが一番好きである。相手に危険なダメージを負わすことなくそのタメによって説得力のある雰囲気のある技であるから。


ふと思うとそういう説得力のある技が少なくなった。垂直落下なしには満足させられない選手、そして観客。繰り返すようだがもうそれはやめよう、と。