謹賀新年
32歳になった元旦、どこが肝臓でどこが胆嚢かの境がまったくわからない急性胆のう炎の前に僕は立ち尽くしていた。ラパロなのに術衣には返り血を浴び、おなかの中はどこからともなくじわじわ沸いてくる出血はさらに視野を悪くしていた。3時間ほど経過したお昼過ぎ、手付かずの頚部がふと目に入った瞬間、心の中の緊張の糸がぷつりと、まさに音が聞こえるようにぷつりと切れた。
「すいません、お願いできますか?」
カメラを持ってくれていた胆道班のトップの准教授に頭を下げた。まったくとんでもない新年の幕開けだった。
ラパコレは面白い、もともと腹腔鏡には違和感がない世代だと自認していた。うちの医局は昔から腹腔鏡の結腸手術は症例が多かった。だからというわけでもないが大腸班に漠然と入ろうと思っていたら
「うちの班は人が足りているからいらない」
と言われた過去。結果的にはこのおかげで胆道班でさまざまな経験をさせてもらっている。どこかの本に
「人生間違った選択などひとつもない」
どんな悲劇的な結果であれ、その場ではどうしようもない失敗だったとしても振り返れば必ずプラスになっているという意味。
まあとりとめもない文章ですが、今年もやってやるって。必ず変化をもたらす年になる。
必ず。