銀座線の一瞬の暗闇

心の中では20代前半から変わっていない。父がいつか言った言葉。還暦をすぎた人が言った言葉に最初は少し驚いたが、自分自身もその通りと気付き今は納得している。社会で30前半は若造かもしれないが確実に僕も年を重ねている。

団塊の世代が支えた高度経済成長期は敗戦後の焼け野原をあっという間に変えた。この二十年の変化は、見た目に関して言えば前者のそれよりインパクトは少ないかもしれないが内面ではむしろそれらを上回る変化を遂げたと僕は思う。

在来線から新幹線への進化は劇的だが、0系からN700系への変化はミクロな変化に過ぎないように見えるが想像を絶する変化をもたらしたはずだ。

恐らく今の二十歳前後の若者は、駅で切符を切る駅員さんの姿も見たこともないはずだ。キセルは死語を通り越して不要な言葉になりつつある。

銀座線だって駅に入る直前に真っ暗になって、なんてことも想像できないはず。

今では振込、買い物は携帯でも不自由なくできる。

これ以上の劇的な変化や便利への追求はこの十年でもはや行き着くところまで来たのかもしれない。これ以上を求めればそれは人間らしさへの否定に繋がると考える。完璧な運転システムは人間が適当に運転することより遥かに交通事故を減らすかもしれないが運転という行動、文化は消滅する。

もうすぐ平成生まれの医者が誕生する。平成生まれなんて赤ん坊か子供かと思っていたが。看護師さんは既に平成生まれはたくさんいるな。

要するに、みんな気持ちは二十代のままなんだ。年齢と共に考えが落ち着いたり、劇的に変わることはない。このままでいい。深く考えずに今を生きよう。五年後の世界がどうなってるかなんてわかるはずもないけど、きっと自分の気持ちは変わっていないはずだから。今を生きる。今自分が考えていることを信じて行動する、それだけだ!